資産形成

ニュース記事より 新NISAの日本株限定枠の噂の件

ニュース記事に対する雑感です。
以前からちらほら聞かれる噂、要望の話です。

新NISAとなり、投資に取り組む人が増えたはいいものの、オルカンとかS&P500とか、外国株投信ばかりに資金が流入し、問題が生じているという話。

問題というのは主に2つ
・投資資金が日本株や日本株投信に流入しないと日本企業の成長につながらない
・外国株投信に資金が流入すると円安圧力となって、日本経済に悪影響

お門違いのNISA「日本枠案」 投資先、決めるのは国民 一目均衡 編集委員 田村正之 日本経済新聞 2025年2月3日 4:00

新NISA2年目、新規口座開設の動き減少…外国株投信に人気偏りが課題 ヤフーニュース(読売新聞オンライン) 2/5(水) 8:10

日経新聞の編集委員さんは、
日本株に限定するような”改悪”をすれば、利用者の信頼を失って、せっかく高まってきた投資熱に冷や水を浴びせることになる、国民の資産形成にもプラスにならないとのスタンスのようですね。

この話でどんな持論になるかは、何目線で見ているかによって大きく影響されるように思います。
・証券業界の利益のため
・税金は可能な限り払いたくない消費者、納税者目線
・資産運用を広めるにはNISA制度が不可欠と考えるのか
・NISA制度に関係なく資産運用の普及が大切と考えるのか
・課税機会の確保、それができないなら他でカバー
果たしてどの立場で考えているか?
もちろん同じ立場でも考え方は様々ですが、述べている人が根本としてどの立場でものを見ているのか、想像しながら話を聞くとわかりやすいです。

私は個人的には、日経新聞の編集委員さんと反対で、日本株限定でいいんじゃない?と考えます。
NISAというのは政策であって、政策である以上は国としての狙いや事情が反映されて当然と考えますし、
金融商品には本来多少の課税がされるのが当たり前という考えが根本にあるからです。

私がもし制度設計者だったらこんなふうに考えます。
成長投資枠と積立投資枠という区分をなくして、
年間60万円まで、生涯で1200万円までを「NISA枠」とし、
その半分は日本株、日本株投信限定
このくらいで十分と考えますね。
(この程度じゃ、普及させるにはやっぱりインパクト不足かな?^^;)

なお、制度を設計するとしたら上記の通りなのですが、政策と個人がどのように資産運用するかは、別の話です。

NISAがあろうとなかろうと、将来の資金計画を考えると資産運用をした方がよい、むしろ、しない選択肢はあり得ないし、
資産運用するなら外国株、世界株を中心とした銘柄で資産運用すべきと考えます。
仮にNISAが日本株や日本株の投資信託にしか適用されなくなったとしても、資産運用の中心銘柄は世界株で考えるべきで、敢えてNISAは利用せずに、税金を払ってでも世界株中心でやるべきです。
(同時に、NISAがあろうとなかろうと、運用のごく一部は日本株を組み込んだらよいとも考えています)

私の立場としては、
正しい資産運用を多くの人に知ってほしい。取り組んでほしい。
そう考えています。


その立場からすると、NISAなんてどうでもいいんですよね^^;

NISAに関係なく、資産運用に取り組むことは大切ですし、
きちんとした考えが身についていないままNISAを利用しても、よい結果にはなりません。

資産運用の大切さとして、
「(課税はされても)資産運用は将来設計のためには必要不可欠なこと」
ということを広めたいですし、また、
「税金は税金で、社会をよくするために必要な仕組みなので多少の税金は払いましょう」
という考え方も国民の義務として大切であると考えているので、
現在のNISAのように完全に非課税になることや、非課税枠がかなり大きい制度は、
健全な投資家意識、納税者意識を高めることに対してマイナスに作用すると考えています。

NISAの改悪については、まだ何も具体化していませんが、
いつかそういうことが起こったとしても、その頃には自分なりの資金計画、運用スタンスを確立しておいていただいて、慌てないことが大切です。

もしかしたら、この話が具体化されると、
「NISAが来年から悪くなる。世界株投信を選べなくなる」
 ↓
「だから今年のうちに世界株投信をたくさん買っておこう」
という流れが起こるかもしれません。

よくない傾向です。
投資に振り向けてよい資金があるなら、制度変更に関係なく、早いうちに資金を移しておくべきですし、
資金に余裕がないのに制度変更があるからと、あるべき以上に投資にお金を振り向けてしまってはいけません。
制度変更に振り回されるようなことは本来あってはいけません。

少しずつでよいので、正しいお金との付き合い方、資金計画を考えていただけたら幸いです。

関連記事

広告(弊社のサービス)