将来の不安を解消し、計画的な人生を送るために、「ライフプラン・シミュレーション」に興味を持つ人もいるのではないでしょうか。
しかし、実はそのほとんどが設定が甘く、参考になるどころか有害なものすらあると指摘されています。
穴だらけのシミュレーションが生まれる背景
FP(ファイナンシャル・プランナー)によるライフプラン・シミュレーションは、本来、顧客一人ひとりの人生に深く寄り添い、丁寧に行われるべきものです。
しかし、多くのFPにとって、これは残念ながら「単なる販売ツール」と化しています。
その背景には、以下のような営業側の都合が隠されています。
手間をかけたくない
妥当性の高いシミュレーションには、ある程度の専門知識と深い理解、そして顧客ごとの個別対応が必要であり、かなりの手間がかかります。
営業重視の業者では、「あくまで目安だから」と手間を省く傾向があります。
「綺麗な結果」を作りたい
顧客に納得してもらいやすい、一見すると問題ないようなキャッシュフロー結果を作成しようとします。
販売につなげたい
保険や投資商品、マイホームといった商品の販売が最終目的であるため、その後の営業トークに繋がりやすい結果を優先します。
その結果、彼らが練習するのは「話し方」や「見せ方」であり、「妥当なシミュレーションの作り方」を研究することはほとんどありません。
穴だらけのシミュレーションの具体的な問題点
設定が甘いシミュレーションは、具体的にどのような問題を引き起こすのでしょうか。
支出設定の甘さ
将来の支出が控えめに設定され、実際よりも余裕があるように見える結果となってしまいます。
不自然な物価上昇率
高すぎる物価上昇率を設定することで、見かけ上のバランスをとっているだけの場合があります。
無責任なアドバイス
いい加減な姿勢で作られたシミュレーション結果にもかかわらず、
「このままの生活で将来も問題なさそうです」
「マイホーム購入に踏み切って問題ありません」
といった無責任なアドバイスが平気でなされます。
手遅れになる前に:良いシミュレーションとの出会い方
このようなアバウトなシミュレーションに頼ってしまうと、
本来は早い段階で気づけば対処が容易だった問題も、
時間が経つにつれて対処が難しくなり、生活に余裕がなくなってしまうという残念な将来につながりかねません。
ライフプラン・シミュレーションは、将来のための「気づき」を得る貴重な機会であるべきです。
では、どうすれば本当に役立つシミュレーションに出会えるのでしょうか?
真剣に取り組むFPを選ぶ
ライフプラン・シミュレーション作成を依頼する際は、真剣に、そして丁寧なコンサルティングを行うFPに依頼しましょう。
結果の妥当性を確認する
できあがった結果表は、人生の様々な事柄が考慮され、全体として妥当性が高いと言えるか、ご自身でしっかり確認することが重要です。
定期的な見直しを行う
一度作成したら終わりではありません。
最初は1~2年後を目途に再度確認し、
その後は3~5年を目安に確認・再作成を繰り返しましょう。
さらに、マイホーム購入や退職など、大きなライフイベントの前にもぜひ確認・再作成を行うことをお勧めします。
雰囲気をつかむだけであれば無料ツールでも作成できますが、妥当性のあるシミュレーションには専門家のノウハウと深い理解が不可欠です。
あなたの未来のために、質の高いライフプラン・シミュレーションを追求してくださいね。