ライフプランニング

個人年金の受け取りは一括と年金どっちが得?

50代後半を迎えると、これまでコツコツ払ってきた「個人年金保険」の受け取り時期が視野に入ってきますよね。

「60歳で一括でドカンと受け取るべき?」

「それとも10年間、毎年年金としてもらうべき?」

「専業主婦の場合、税金や夫の扶養はどうなるの?」

こんなご質問をいただきます。
疑問をすっきり解決するために、「受取総額」「税金・扶養」「自分で運用する場合のシミュレーション」の3つの視点から、どちらが有利かを徹底比較しました!

1. 額面で単純比較 一括 vs 年金形式

まずは、一番気になる「もらえる総額」の比較です。

今回のモデルケース(総払込保険料:442万円)で計算してみましょう。

  • 一括受け取り508万円
  • 年金形式受け取り:毎年55万円 × 10年間 = 550万円

📊 結果:年金形式の方が「42万円」多くもらえる!
支払った保険料に対して、一括だと+66万円ですが、年金形式なら+108万円になります。単純な金額の多さで言えば、年金形式の圧倒的勝利です。

2. 専業主婦が気になる「税金」と「夫の扶養」の壁

「年金形式だと毎年税金がかかったり、夫の扶養から外れたりして損するのでは?」と不安になりますよね。
これについてはケースバイケースになってくるのですが、たとえば、他に収入がない専業主婦であれば、どちらを選んでも税金はかからず、扶養からも外れない可能性が高いです。

それぞれの「所得(税金計算の対象になる金額)」を見てみましょう。

① 一括(一時所得)の場合

  • 税金がかかる対象(所得)8万円だけ
  • 基礎控除(48万円)以下なので税金はかかりません

② 年金形式(雑所得)の場合

  • 毎年の税金がかかる対象(所得)約10.8万円
    (※毎年55万円から、支払った保険料相当分の「経費」を引き算するため)
  • 65歳から国の老齢基礎年金(元専業主婦の方の平均的な額)が始まっても、合算して基礎控除以下に収まるケースがほとんど

⚠️ パートを始める場合の「扶養の壁」の目安

現在、税制改正により夫の配偶者控除(満額)を受けられるパート年収の壁は「136万円」に引き上げられています。

ただし、60歳から個人年金(年55万円)を受け取りながらパートをする場合は、年金の所得(約10.8万円)があるため、パート年収を「約125万円以下」に抑えるのが満額控除をキープする目安になります。

3. 他に収入がない、あるいは少ない、年金も老齢基礎年金のみなど少ない額であれば、年金形式がお得

以上のように、そのほかの収入が多くないのであれば、今回取り上げたような金額の個人年金保険を受け取る場合、
一括で受け取っても、年金形式で受け取っても、税金や扶養への影響はほぼありません。
そのため、単純に受け取れる総額で比較して、年金形式での受け取りが有利ということになります。

また、今回はシンプルに他に収入がない場合を想定して確認していきましたが、その他にも収入がある場合は、上記の考え方を参考にして、所得税や住民税などの税金が発生するかどうか、配偶者控除、社会保険料の扶養などへの影響を考慮して検討してください。

4.一括で受け取って、新NISA等で運用しながら取り崩したら?

「一括で508万円を受け取って、新NISAなどで年率●%で運用しながら10年間で取り崩したらもっと増えるのでは?」という疑問もあろうかと思います。

以下、一括で508万円を受け取った後、毎年55万円を受け取りながら、新NISA等で運用を行った場合に、10年経過したときにいくら残っているか、計算してみました。

毎年の受取額10年後の残金
平均3%運用55万円32万円
平均5%運用55万円96万円
平均7%運用55万円174万円

逆に10年後の残金が0となるように、毎年の受取額を増やしてみると…

毎年の受取額10年後の残金
平均3%運用57.8万円0万円
平均5%運用62.6万円0万円
平均7%運用67.6万円0万円

(なお、運用の際にかかる税金は考慮していません)

計算してみたところ、年間1.81%を上回る運用がなされれば、毎年55万円、10年間の取り崩しが成り立つようです

ただし、「運用」ですので、変動リスクのあるもので運用させた場合には、想定通りにいかない可能性もあることに注意が必要です。
「株価等の暴落でハラハラしたくない」という方は、確実にもらえる保険会社の年金形式の方が安心かもしれません。

5. 結局、どっちを選べばいい?

あなたにとってどちらが有利かは、以下の「判断基準」をチェックしてみてください!

💡 「年金形式(毎年55万円)」が向いている人

  • とにかく損をせず、確実にお金を増やしたい人
  • 60歳〜65歳の「無年金期間」の確実な生活費として使いたい人
  • 投資の知識があまりなく、元本割れのリスクを避けたい人

💡 「一括受け取り(508万円)」が向いている人

  • 60歳時点で住宅ローンの完済やリフォームなど、まとまった出費の予定がある人
  • 新NISAなどを活用した運用経験があり、自分で運用しながら取り崩す自信がある人

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