前回の記事では、コア・サテライト戦略のほかに、「バーベル戦略」や「リスク・パリティ戦略」など、目的や好みに応じた様々な投資戦略があることをご紹介しました。
※前回の記事(第2回)はこちらから読めます!
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さて、ここで一つ素朴な疑問が浮かびませんか?
「これほど多様で合理的な戦略があるのに、なぜ銀行や証券会社、IFA(独立系アドバイザー)は、口を揃えて【コア・サテライトで分散しましょう】とばかり勧めてくるのだろう?」
実は、その耳当たりの良い「正しい提案」の裏には、彼らが絶対に口にしない、驚くほど現実的なビジネス上の本音(下心)が隠されているのです。
連載の最終回となる今回は、「美辞麗句の裏側。金融機関が【分散投資】や【コア・サテライト】を熱心に勧める本音と下心」に鋭く切り込んでいきます。
第3章:美辞麗句の裏側。金融機関が「分散投資」や「コア・サテライト」を熱心に勧める「本音と下心」
結論から言いましょう。 彼らが「分散投資」や「コア・サテライト戦略」を熱心に推奨する最大の理由は、「低コストなインデックスファンドだけを買われては、会社が潰れてしまうから」です。
ここに、金融機関の冷徹な「下心」が存在します。
1. オルカンだけでは「お小遣い」にもならない現実
現在、投資家の間で大人気の「オルカン(全世界株式)」や「S&P500」などのインデックスファンドは、手数料(信託報酬)が極限まで引き下げられています。 これらは投資家にとっては最高のツールですが、販売する金融機関にとっては「売っても一銭にもならない死活問題の商品」なのです。
- 超低コスト投信の信託報酬: 年率 0.05%〜0.1% 程度
- 販売会社(証券会社や仲介業者)に入る分け前: そのうちの年率 0.01%〜0.03% 程度
あなたが金融機関を通じて、オルカンに1,000万円を預けたとします。 このとき、金融機関に入る年間の取り分はわずか3,000円程度です。これでは営業マンの交通費や人件費すら賄えません。
2. 「もっともらしい理論」は、高手数料商品を滑り込ませる免罪符
そこで、金融機関は「正しい投資理論」を営業のストーリーとして活用します。「オルカン(株式)だけを持つのは危険ですよ」という大義名分を掲げるのです。
- 「コア(オルカン)は素晴らしいですが、それだけだと今の半導体やAIのブームを取りこぼします。サテライトとして、このアクティブファンド(信託報酬1.5%)を30%混ぜましょう」
- 「アセットアロケーションの観点から、暴落に備えてこちらの外貨建て債券(販売手数料や為替スプレッドが乗ったもの)を半分ポートフォリオに組み込みましょう」
こうして「サテライト枠」や「債券枠」という引き出しを作ることで、彼らにとっての「高利益商品(手数料1.0%〜3.0%)」を合法的にセット販売する隙間を作り出しているのです。
3. 賢い投資家が取るべき「防衛策」
私たちは、金融機関の「下心」を批判するだけで終わってはいけません。
賢い投資家になるためには、「相手の営業トーク(下心)」と「投資理論の正しさ」を徹底的に切り離して利用する必要があります。
「アセットアロケーション」や「コア・サテライト」というフレームワーク自体は、あなたの資産を守るために非常に優秀な仕組みです。
ですので、「理論の枠組み(ハコ)だけは採用し、中に入れる中身(商品)については、本当に地震が納得できるものに限定する」のが正解です。
具体的には、まず、その担当者が本当にコア・サテライト戦略等、提案している分散スタイルを「あなたのために本気でよい」と思っているのかどうか?営業のための提案ではないのか?確認する必要があります。
「本当はオルカンだけでよいと思うけど、それだけでは仕事にならないから、これも売り込まないとなー」という程度の理解で提案しているとしたら、その人はプロフェッショナルではありません。
それを提案する理由を突っ込んで質問してみてください。
たとえば、オルカン等のインデックス型ではなく、アクティブ型の投資信託をお勧めされたとしたら、信託報酬等コストが高いのにそれを選ぶ理由があるのかどうか?確認が必要です。
誤魔化されないように注意深く理由を聞いてみましょう。
あるいは、株式投資信託ではなく、公社債投資信託やバランス型の投資信託、あるいはオルタナティブ投資等組み合わせるとしたら、本当にそれが必要なのかどうか?
詳しく聞いてみましょう。
最後に
全3回にわたってお届けした「分散投資のリアル」、いかがでしたでしょうか?
金融機関やアドバイザーの言う「分散投資が大切」という言葉自体は、理論としては間違えているわけではありません。
しかし、そのアドバイスの裏には、彼らのビジネスを守るための切実な「大人の事情」が必ず存在します。
「相手のビジネスモデルを正しく理解した上で、自身が賛同できる部分だけを採用する」
これこそが、情報過多の時代に自分の大切な資産を守り、賢く増やしていくための最大の防衛策です。
ぜひ、今日からあなたのポートフォリオを「賢者の視点」で見直してみてくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!